アルコール性急性膵炎の症状
本来は食物の消化を助けるためにつくられる酵素が、過剰に分泌されたり、膵管をスムーズに通れなかったりして膵臓内に滞り、異常に活性化して膵臓そのものを消化(自己消化)、炎症を起こしてしまう病気。
パートナーが『アルコール性急性膵炎』を発症し入院しました。
ある日の朝、私が出勤のため身仕度を整えていた時のこと。
なぜか、布団の上で黙って体育座りしていた彼氏がボソッと言いました。
お腹が痛い
え、凄く痛いの?
うん、病院いこうかな。タクシーって呼べるかな、
え!そんなに痛いの?大丈夫??
うん、凄く痛い。。
彼氏けっこー淡々と言うから、それほど心配したことではないだろうと思い、
呼んだタクシーに彼だけ乗せて自分は仕事へ行きました。
したらお昼頃、彼から電話があり
膵炎だって
え!
このまま入院する
えーーーッ!!
必要なもの持ってきて貰える?
早退して自宅に戻り、言われたものを鞄に詰め病院へ。
受付で教えられた病室へ向かうと、そこには点滴につながれた彼の姿が。。
あーあー、、
後々聞いたところでは、
お腹というか背中というか中央が突き抜けるように猛烈に痛かったそうです。
ちなみに
彼の入院時のγ-gtp値は1400超え。これはスーパー異常値です。
正常値は成人男性が10~50で女性が9~32と言われているので、
1400かいかに異常値か伝わると思います。
医師からも
回復の見込みがない状態まであと少しだったと注意をうけました。
原因は飲酒と不健康な食事
急性膵炎のほとんどが、
アルコールや高カロリーな食べ物の摂取のし過ぎが原因です。
思えばたしかに・・
冷蔵庫にはアルコール以外の飲み物はなく、
休みには目覚めの一杯からチューハイを飲み、
昼も飲み、夜も寝るまで飲んでました。
焼肉・居酒屋としょっちゅう飲みに行き、
中食ではドミノにピザーラ、ケンタにマックと
高カロリーなメニューばかりつまんでました。
けど不思議、それは私も同じです。
そーなるとこれは
持って生まれた体質もそれなりに関係するようです。
我ながら、病気ばかりする弱っちい体だと思ってましたが、
飲酒によって最も酷使される臓器が意外と丈夫だとわかり、急に親に感謝です。
入院時の治療は絶飲絶食
膵炎の治療はシンプルに【絶飲絶食】
そう!食べちゃダメなだけでなく【水飲むのも禁止】です!
水分と栄養補給は点滴のみ。
辛過ぎる~💧
口からは何も摂取しないで
とにかく膵臓ほか消化器官を休める。
そうしてただひたすら数値が下がるのを待つのです。
何もすることのない入院生活で彼の唯一の楽しみは『喫煙』。
病棟からずーっと離れた敷地の端にある従業員の駐輪場の
さらに隅っこに設けられた喫煙スペースまで、
点滴をゴロゴロ引きずりながら日に何度も出掛けていきます。
そこには、
同類がつくる微笑ましいコミュニティーができあがっていました笑笑
それにしてもタバコの常習性恐るべし。
そこまでして吸いたいか?
・・・いや。いやいや。人の事は言えないだろ。
酔っぱらって前歯を折った時、
冷えたビールが歯に凍みるのでストローで飲んでいて呆れられたではないか。
一緒一緒、似たり寄ったり
急性膵炎は退院後の食事が大変
そんなこんなで2週間後、
退院後の生活についてのレクチャーを二人で揃って受け、いよいよ自宅療養に。
さて問題はここから。
彼の食生活が変わると言うことは
一緒に暮らす自分の食生活も変わると言うことです。
食生活が変わると生活スタイルそのものが大きく変わりますが、
当事者でない私にはそこがリアルに想像できていませんでした。
そうか、一緒に飲みに行けないのか…
いいえ、それどころではないです。
嗚呼、ピザーラも頼めないのか…..
だから、それどころではないっつーのよ💧
肉はササミか皮剥いだ鶏胸しかダメ!
魚はタラしかダメ!
野菜も食物繊維の多い根菜系はダメ!
キノコだめ!ワカメだめ!
香辛料ダメ!ノンオイルしかダメ!
あれダメ!これダメ!
うるさいッ!黙れ!!
既製品はいちいち食品ラベルを読んで、
脂質が限りなく0に近いことを確認しなければならない。
マジ面倒くさい、
自炊が面倒で休みたくても
外食はおろか出来合いの惣菜すら利用するのが難しい。
よって毎食毎食自炊するしかない。
けど使える食材がとても少ないのでバリエーションも限られ、しかも
薄味で超味気ない
食事を楽しむというよりは、
食べられる食材を下処理してお腹に入れているといった感じでした。
治療は食事制限によるストレスの連続
彼氏の退院から半年も経つと、
当事者でない私はストレスであからさまにイライラするようになっていました。
これはまずい、
何とか気分転換しなければ。そう思ってはみたものの、
当時私はある知人とのトラブルが原因で全ての友人と関係を絶っており、
飲みにいきたくても誘える友達が一人もいなかったのです。
そして彼も、仕事以外ほとんどうちにいるので、
好きな食べものを買って帰ることも遠慮してできない。
前はしょっちゅう食べていたピザやケンタも彼の発症後は一度も食べていません。
早々に泣きを入れ、自分だけ飲むようになったビールを頼りに、
毎晩精進料理のようなつまみでの晩酌です。
それでも飲めるだけマシ、そう思って耐えていましたが・・・
イライライライラ⚡⚡
きっかけかは何か忘れましたが、
ある日食事の準備中に私はキレて彼に当り散らしてしまいました。
もー我慢できんわッ!!
そりゃないよな、自分なんてこれまで散々迷惑かけといて。
けど、あの時は感情を抑えられなかったのです、
ごめんなさい・・
何も言わず我慢してくれてありがとう。
・・・
再発を予防する心得と生活習慣
膵炎の治療は長期戦です。
我慢を強いられる食生活が長く続きます。
食べたいものを食べられないそのストレスは相当なもの!
治療のためだから仕方がない…では、くじけてしまい、
つい食べ、つい飲むうちに再発ともなりかねません。
だからストレスを溜めないために、
その食事がもたらしてくれる良いことに積極的に目を向け
前向きにとらえ楽しむ《発想の転換》が必要です。
たとえば
年の割にスタイル良いのこの食事のおかげだな♪
とか、
野菜たっぷりの食事で美肌にも効果的♪
とか、
自炊のおかげでお金が貯まる♪
とかね。
それと絶対不可欠なのが【飲み食い以外の趣味】
これないと駄目です。
膵炎になって再発していない有名人には、
ファッションやバイクなどこだわりの趣味があり、
再発を繰り返す人にはこれといった趣味がないようです。
暇だとどうしても飲み食いに頭が向かいますからね
飲み食いに関わらない趣味を持つこと!
これ大事ですよ。
当の彼氏も正にこれ!
新たに開発したこの趣味によって
見事この南極を乗りきり、
節制の結果すっかり☆正常値☆
今では昔と同じにように
好きなものが飲み食いできるようになりました!
もちろん再発防止のため
普段の食事はバランスを重視し
アルコールもたまに飲む程度に抑えています。
こんな節制生活が今後一生続くのかと
絶望している患者の皆さま
ご安心ください!
確かに長い辛抱が必要ですが
また自由な食生活に戻れますよ!
けど調子に乗って
節制することを忘れないでくださいね。
そこはきっちり自覚してください。
膵炎がもたらした思わぬ効果
あのキレちゃったあと私は反省し、
気分転換ができる友達をつくろうと決意!
出会いを求めポータルサイトを利用し、
幸いにも何人か友達をつくることに成功!
10年たった今でもその時できた友達と
よい関係が続いています。
一方彼はというと、
お洒落にハマりすっかり垢抜けました!
しかもシラフの彼は、
常時酒に酔って動きの遅い私に代わって、
洗濯をしゴミを捨て、
さらには自炊ですっかり料理上手に!
今じゃ彼は私にとって
お父さんともお母さんともいえる存在に。
私にとっては正に結果オーライ☆
あの時、勢いのままに別れなくて
ほんと良かった!
要点まとめ
⭕膵炎は胃から背中にかけて体の中心部が激しく痛む
⭕γ-gtp正常値:成人男性10~50/成人女性9~32
⭕膵炎の入院時の治療は絶飲絶食
⭕退院後は徹底した食事制限が必要
⭕《超重要》飲み食い以外の趣味を持つこと!