気胸は従来すべて開胸手術
今でこそ肺気胸の手術は
胸腔鏡という内視鏡(カメラ)を用いた胸腔鏡手術が主流となっていますが、
昔は気胸で手術となればすべて開胸手術です。
手術に至るまでは、
圧迫感からの呼吸困難といった多少苦しい思いはありつつも、
(痛い!)と感じたことがほとんどないのに、
治療の方がしんどくて割りに合わないと感じていました。
![よっぱ](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/01/yoppa.png)
ほっといたらダメかな?
そうして病気自体に大した恐れもないまま、
とうとう手術することになったんです。
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えー、ほんとに手術するの?!
と思ってたら、翌朝早々に大学病院に移動。
そしてその病院の滞在もたった半日。
検査だけ済ませるとまた違う病院に移され
その翌翌日には手術という慌ただしさ。
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恐がる時間もありません
手術前
そして当日。午前中に手術が始まります。
両親が見守る中、
これからオペ室へ向かうというその前に
肩付近から筋肉注射を打たれました。
ところが、
肩に射たれたこいつが思いもよらぬ痛さ!
岩盤に坑道を掘り進めるような感じ。
メリメリメリメリ音がする!(気がする)
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いったぁーい💢
それが終わると、
いよいよストレッチャーに乗せられ手術室に運ばれます。
ドラマでみる絵に描いたようなオペ室に到着。
ストレッチャーから手術台に移されます。
照明が眩しくて目が開けられません。
そして吸引マスクをつけられると、10も数えず闇の中。。。
手術直後
そして、
目が覚めるとそこは病室。
両親の顔が心配そうに覗いている・・・
とばかり思っていたのに。
うっすらと眩しい光が見えた瞬間
苦しい!
息ができない!
運の悪いことに、
私は人工呼吸器を装着した状態の手術台の上で
完全に意識が戻ってしまったのです。
まだ鼻にも喉にもチューブが詰まっています。
置かれた状況にパニックになってしまいました。
呼吸ができない!
このチューブを抜かないと息ができない!
けど麻酔が効いてて体が動かない!
自分じゃ抜けない!誰か抜いて!
苦しい!
苦しい!
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死ぬッて!
筆舌に尽くし難い苦しさと恐怖です。
そんな私に向かって看護婦さん、
![看護婦さん](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/02/nurse-1.png)
まだ外せませんからっ!!息しないと死にますよ!!
私の記憶ではそう言われたことになってるけど、
実際はどーだったかわかりません・・
ただ、ほんの少し冷静になって
喉と管の間にできた僅かな隙間を頼りに、
ギリギリで息を吸ったのを覚えています。
鼻と口のチューブが外されるまでのあの数分間は
私の人生で最も苦しい瞬間でした。
死ぬまでそうであってほしい。
あれより苦しい思いを生きてる間に2度と体験したくない。
手術後
チューブが外され呼吸が落ち着くと
いよいよはっき周りが見えてきます。
私は様々なチューブに繋がれ真っ裸の状態。
その手足を数人の看護師たちにつかまれ
『いっせ~の~せっ!』との掛け声と共に
ストレッチャーに移されます。
その姿が我ながらまるで、
ホロコーストで墓穴に投げ捨てられる遺体のようだと思いました。
![よっぱ](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/01/yoppa.png)
もちろんそんな乱暴には扱われてません
手術室を出るまではシーツもかけてもらえず、
真っ裸の自分を何人もの人が取り囲んでいます。
恥ずかしいというか情けないというか、
18才の自分がまるで老婆の様に思われました。
しかし
人間らしい自分に戻るにはさらにもうひと試練、
強烈な痛い体験が待っています。
さっきのが人生で最も苦しい瞬間だったのに対し、
この後人生で最も痛い瞬間がやってきます。
![よっぱ](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/01/yoppa.png)
子宮内膜症も痛かったけどこっちの痛みには及ばないかな
人工呼吸器について補足
しかしですね、
子宮内膜症の手術の時は目が覚めた時
すでに気管チューブは外された後でしたよ?
もしその前に意思疏通ができていて
その記憶がないだけだとしたら
それこそ正しいタイミングであって、あんな風に
人工呼吸器を装着した状態で完全覚醒してしまうのは
![よっぱ](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/01/yoppa.png)
やっぱり麻酔の調整が甘かったんじゃないの??
と私は言いたい。
実際そうであってほしい。
でないと、
手術の直後がもれなくあんなに苦しいなんて
手術受ける勇気なくなりますよ。
![よっぱ](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/01/yoppa.png)
ほんと、
胸腔鏡手術は痛み負担は少ないが再発が多い
何かの治療受ける度に思いますけど、
医療ってほんとに日々進歩してるんですよね。
肺気胸手術も近年ほとんどが『胸腔鏡下術』で行われているそうです。
実際、私の肺気胸の手術痕にほとんどの医者が食いつきます。
![お医者さん](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/01/doctor.png)
この大きな傷って気胸の痕ですか?へー
昔のやり方に驚いてんじゃないでしょうか。
なんかリアクションがそんな感じなんです。
今同じ手術したらきっともっとずっと楽なんだろうな。
![よっぱ](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/01/yoppa.png)
たぶん、
しかし、
気胸の胸腔鏡手術は開胸手術に比べ再発率が2~5倍も高いというデータが出ています。
その為、胸腔鏡手術で再発した場合、最終手段的に開胸手術が行われます。
要点まとめ
⭕現在の医学では自然気胸のほとんどは胸腔鏡下術で直る
⭕胸腔鏡下術は開胸手術に比べ痛みや体への負担は少ない
⭕気胸の胸腔鏡手術は開胸手術に比べ再発率が2~5倍も高い