警察は物的証拠がないと動かない
私につきまとっていたバンドメンバーのAが
私への見せしめ的な暴行事件を起こしました
それにより迷いが吹き飛び 警察へ助けを求めることにしたので
心証を良くしようと脱色していた髪を黒く染め
より親身に話をきいてもらう為に バイト先の店長に警察への同行をお願いしました
暴行事件とこれまでの出来事を説明し
警察からAに私へ近づかないよう警告してほしいとお願いしました
しかし返事はNO
私の主張はどれも主観的であり状況証拠しかなく それだけで公的に止めさせることはできない
暴行事件も あくまでも被害者に対する暴行罪であって
私へのストーキングと結び付ける証拠はなく ストーカー規制法の適用にはならない
それが警察の意見でした
何もしてくれない警察でも相談だけはしておこう
ストーカー被害に対して警察が簡単に動いてくれないことは知っていましたが
今回は暴行事件が起きていたので 何かしらの対応をしてもらえると
期待が大きかっただけに とても残念な気持ちになりました

『死ぬよ』と言われたことも・・

それ、録れてますか?
状況証拠だけで警察は動きません 警察を動かすには物的証拠が絶対必要です
脅迫などの暴言を録音など記録に残す必要があると言われたので
以後 Aと接触する時には前もって録音の準備はしていたのですが
実際に録ることはできませんでした
暴言で委縮してしまい録音ボタンが押せなかったり
あらかじめ録音していた時に限って明確な脅し文句を言わないのです
このように 警察に動いてもらうのは簡単ではありませんが
それでも 必ず相談だけはしておきましょう
そうすることで 今まではストーカーと自分の間だけで起きていたことが公になります
事を公にさらすこと 社会的に認められた第三者に事実を知ってもらう
それが何より重要です
職場にも及ぶストーカーの迷惑行為
警察の手は借りられず Aが現れる恐怖から しばらく東京を離れました
そして地元へ戻り実家で過ごす間 その先どうするべきか考えました
それでも東京に戻りたかった私は 再度アルバイト先の店長に助けを求めました

実はそれっぽいヤツらが店にきて電話もかかってきてる
それでも
安全確保に協力すると言ってもらえたので 私は勇気を得て東京に戻りました
しかし 早々に心折れる事態に直面します
東京の自宅アパートに着くと 玄関前にAが愛飲しているチューハイの空き缶が置かれていました
それは紛れもなくAから私へのメッセージ
Aに繋がる知人で私の自宅を知るものは誰もいないと思っていただけに これは大変ショックでした
室内に入ったものの怖くて電気がつけられません
すぐに自宅を離れ 同じ都内に住む彼氏の元へ向かいました
心配かけまいと何も話していなかった彼氏に ここではじめて事情を説明
結果 当面は彼氏宅で寝泊まりし そこから仕事へ通うこととなり
さらに シフトは早番から遅番に移動して 店長が送り迎えをしてくれるという
完璧な布陣がひかれました
職場から外に出なければAが私に近づくことはできません
これでAが根負けして現れなくなるのを ひたすら待つことにしました
何ない日が続き Aもさすがに面倒になったのかも知れない
先の暴行罪で捕まったのではないか そう考えはじめていた時
バイト先にAが仲間と共に現れました
数人で店内をうろつき 私がいないとわかると電話をかけてきました
そして電話にでた店長に対し 私を出せと凄んだのです

店内は防犯カメラに撮られているし電話は録音されているよ。2度とかけてこないように!
そう言って電話を切りましたがすぐまた電話がかかってきます

営業妨害だから 警察すぐそこだよ!
Aは子供じみた捨て台詞を散々吐いて電話を切りました
その翌日
今度は自宅アパートの大家さんから電話があり 自宅へ来てほしいと言われました
実はアパートの1階が大家さん宅という間借りのような間取り
安全のため朝早い時間に訪れると一通の封筒を差し出されました

これを持ってきた方達 ずいぶん恐い感じの人たちだけど 貴方がいない間に何度かこの辺りで見かけたのね うち子供まだ小さいし ああいった人たちがうちの前にいたりすると怖いのね・・・
封筒の中には金銭を請求する手紙が入っていました
私が突然連絡を絶ったあと 利用したスタジオ代などを私に払えと言うのです
もちろん払う必要などまったくありませんが
一部を払う代わりに今後私に関わらないという念書を取ろうと考え
A本人ではなく仲間のKに連絡をとりました
会うために選んだ場所はバイト先に近く人目の多いファミレス
呼び出したのはKだけですがAも来るに違いないので
ここでも店長に付き添ってもらいました
すると案の定 約束の店の少し手前でAが待ち構えていましたが
店長が遮りすかさず店内に押し入れてくれました
人目に触れたくないAは店内に入ってきません
中にはKだけが待っていました
店長同席のもと持参した念書と領収書にサインを求めます
無言のKに対し 私はAから受けてきたストーカー行為を話して聞かせました

けど それは監視するためのフェイクだったってAが・・・
恋愛感情で追いかけ回したのではないとでも言いたいのでしょうか
真意がどうあれ やったことは同じです
警察に相談済みでありAやKの住所も所轄に控えられていることを伝え
サインした念書と領収書をうけとり Kを残して先に店を出ました
ストーカーの中身はわがままな子供
外にいたAはKが出てくるのを待って一緒になって追ってきました
赤信号で足を止めた私たちの前に立ちはだかり怒鳴ります
しかも店長に向かって吠えたてたのです

誰だオメーはよ!関係ねーだろオメーだけ先行け!おれはこいつに用があっからよ! オイッY話があんだって!なー!!

やめろ 話があるならすぐそこ警察だから一緒に行こうか

ふッざけんな!いかねーよ!!だからよー!Yお前に話があるっつってんだろーが!!
私はAに対し徹底的に無言を貫きました
Aは手を出してはきません
子供が駄々をこねるように 顔を真っ赤にして地団駄踏んでわめき散らしているだけ
(もう放っておこう)という顔の店長に促され Aを無視して信号を渡りました
Aもそれに続こうとしましたが
Kがついて来ていない事に気づくと 戻って今度はKに怒鳴ります
しかしKはそこを動かず Aも一人では追ってきません
Aは遠のく私たちに後ろから吠え続けていましたが やがてそれも聞こえなくなりました
結局それが最後
そもそもKや他の連中はAに無理やり付き合わされていただけ
きっとAはお金の回収を私につきまとう建前にしていたことでしょうから
それを受け取って私を追い回す言い訳がなくなったのです
しばらくは物陰から突然現れやしないかと緊張しましたが
それ以降 待ち伏せされることも
バイト先に電話がかかってくることも 二度とありませんでした