井上宣【闇よ、集え!】
出版情報
怪奇と幻想のこわい本
“HALLOWEEN COMICS”
『闇よ、集え!』
・作者:井上宣
・短編全9話
・発行所:朝日ソノラマ
・昭和61年発行
・定価380円
集録作品
・吸血病棟D1
・リリアンの哀しみ
・HESPERUS(宵の明星)
・迷宮行
・サンタクロース
・角を曲がる恐怖
・闇よ、集え!
(GATHER DARKNESS)
第一話 闇の中の顔
第二話 さいころ遊び
第三話 闇の来訪者
概要と主観
満を持して、もっすっごく大好きな一冊をご紹介!
井上宣さん「闇よ、集え!」
艶めかしく美しく繊細でグロテスク。最高です。
作品ピックアップ
HESPERUS(宵の明星)
HESPERUS(ヘスペルス)宵の明星~ソシテ「ウェヌスは目覚める~
よっぱ
P44P52 呪われた美神の濡れた眼差し。そしてP54 囚われ死にゆくヴェスパー・ダインの恍惚の表情が、美しい。
角を曲がる恐怖
人生の終末を迎え死が目の前に迫った時、人は何を思うのか。
幼かった日 歩いている時
ふと その先の角を曲がることに
恐怖をおぼえた。引用:『角を曲がる恐怖』より
迫り来る自身の死を、人生の中で進むことができなかった曲がり角に準えて、
今度こそ躊躇しないで角を曲がろう!しっかりと自ら死に臨もうとする、老婆の心の物語。
さいころ遊び
主人公がいるのは精神病の入院病棟。
心が壊れた主人公は一日中ベットの上で寝たり覚めたりを繰り返す。
夢の彼女は事実と異なり生き生きと青春を謳歌する。
あたし…………
夢のほうが現実で、
今こうしているあたしが
夢なんじゃないかって思うこと……
あるのよね引用:『さいころ遊び』より
目覚めた彼女は現実におびえ、またすぐ夢に戻っていくのでした。
闇の来訪者
P171『死人は墓から出ては死ぬ!』は『来ぬ!』の間違いですね。
P172上段のフィーの表情、とても素敵です。
リンク
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