脱走兵のいる家
平成3年発行:JUNJIの恐怖コレクション①
集録作品(短編全6話)
・いじめっ娘
・脱走兵のいる家
・生霊の沼
・赤い糸
・中古レコード
・贈る人
奇想天外、ギャグ満載。
何と言ってもオススメは「赤い糸」
まったくもって奇想天外、ギャグ満載。コマ毎いちいち傑作。
特に冒頭2コマ目“ゴーン”はすっか自分の中に定着(笑)。
千人針を熱く語るおじいちゃんと友男の会話も相当面白い((笑笑))
「中古レコード」これも秀作です!幻のレコードを巡る攻防戦。
このレコードの中身が! なんと!
死体が歌ったスキャット(Scat)ときたもんだ!
ラスト一節
聞こえる……聞こえる……あの世のメロディが・・
嗚呼うっとり♡
この一冊。買って絶対がっかりさせない自信がある!!
(保証はしないけどね)
サイレンの村
平成7年発行
集録作品(短編全5話)
・サイレンの村
・煙草会
・黴(かび)
・記憶
・道のない街
想像できそうな発想の先がミラクル
カバーそでに「珠玉の恐怖集」とありますが、この5作品どれも比較的地味です。
ですが、これまた伊藤潤二ならではの秀作揃い!
普通で無い事と言えば、
第一話『サイレンの村』で人々に悪魔の翼が生えたり、
第五話『道のない街』で目玉の妖怪が現れるくらい、かな。
極々日常で起こる (((一体….何なんだ;))) が凄いんです。
しかも大したインパクトを与えずジワ~ッと虜にする。
ここまでなら自分もちょっと想像できるかな~的発想からの先がミラクル☆
『黴』と『道のない街』の
日常からの異常への展開がスピーディーかつ滑らか。
かつ、その理不尽さ、不条理さが えげつない。
あと『煙草会』を読んで以来、
立ち眩みが起こるたびに頭を過る一言が
『煙草会』ラストのこのセリフ。
目の前が真っ暗ですな
伊藤潤二さんはなぜこんなにも、
嫌悪感を抱かせたり、笑わせたり、うっとりさせたりと、
人の感情を弄ぶのが上手いのだろうか。
マニアはみんな先生の虜です。