ハムスターを熱中症で死なせた体験談
猛暑日が続いたある年の8月、
仕事中の事故で突然父が亡くなりました。
通夜も葬儀もゆかりのお寺で行うため、
翌日から1泊2日で自宅を空けることになったのですが、
この時困ったのがペットです。
自宅があるのは田んぼだらけの田舎町。
猫たちはもともと日中外に出していたため、
車庫に食事だけ用意して屋外に放つことにしたのですが、
飼い出したばかりのハムスター1匹をどうしたらいいのか・・・
結局、室内の方が安全であろうと思い、
明日の夜には帰るのだからと、
風通しのよい2階の廊下にケージを置いて出たのです。
ところが、
自宅は2階建てプレハブ住宅で、
2階屋根部分は全てベランダという構造。
しかも外装が真っ白。
夏のベランダはまるで太陽光発電ばりに熱を集めました。
閉め切った室内の温度が上がる条件を、
これでもかと満たしていたのです。
その家の中で暖かい空気は上に行きます。
そして階段は家の中央に位置し、
1階の熱を2階へ逃がす煙突のような役目を果たしていました。
2階へ上がる時ちょうど階段の真ん中で、
まるで熱い空気の層に首を突っ込むような感じがしたものです。
その、2階の廊下にケージを置いて出たのです。
悲しみと慌ただしさの中、想像力が働かず、
なんとなく、家の中で一番風が流れる場所だからと、
置いてしまいましたが
風が通るのは窓を開けていればの話。
今から一家で出かけるのに窓を開け放っていくはずがありません。
密室にしたうえ、最も熱の籠る場所で、
逃げられないケージの中に入れて置き去りにしまったんです。
夏場の室温上昇に注意!
そして翌日の葬儀後、
自宅に戻り2階にあがる途中、
ギクっとして足が止まりました。
階段をのぼり切った先の床に、
そしてケージの置かれたタンスの上にも、
ケージの中のエサやチップが
四方八方まき散らかされています。
それなのに、
ケージからは全く音がしません。
その様子で一瞬にして悟りました。
そして、心と体が硬直して、
しばらくの間、
そこから動くことができませんでした。
どれほど苦しんだのだろう。本当にごめんなさい。
生き物を飼育するのであれば、
生態を熟知して適した環境で育てること。
この時も、普段から正しい飼い方を知っていれば
死なせることは避けられたはずです。
特に近年の気温変化は目まぐるしいです。
食事・室温管理には十分お気を付けください。
要点まとめ
⭕ハムスターは暑さにとても弱い
⭕安易にペットを飼うことは避ける