昭和の街の描写が素晴らしい【まだらの卵】
後年やっつけ作品が目立つのが悲しいですが、この時期の作品は傑作揃い。
特にこれ 1985年発行「まだらの卵
内容もさることながら、昭和の街の描写が素晴らしいです。音が聞こえ臭いが漂ってきますよ。
中でもおすすめは『恐怖のエレベーター』
大好きなんですエレベーターもの。漫画に限らず映画でもドラマでも良いのありますよね。
後ほどエレベーター特集もご覧ください。
デビュー作を収録した【幻色の孤島】
言わずと知れた怪奇漫画の巨匠「日野日出志」大先生。
デビュー作「つめたい汗」が収録されています。
おーいナマズくんは最後まで怖いオチはなくほのぼの楽しめる作品で、
日野作品ではかなり珍しいストーリー展開です。
おすすめは『猟人』
宴の後の静まり返った囲炉裏。その場の冷えた空気がリアルに感じられます
眼球から生まれた怪物【地獄小僧】
この巻の大半で描かれている円間大雄くんが地獄小僧ではありません。
追い詰められて息絶えた大雄の肉体から脱出し生き延びた眼球、
さらにその眼球が成長し桃太郎のように生まれるのが地獄小僧です。
けっこう人間味溢れる小僧で、孤独を癒すため子犬を育てたりします。
また人間の子供と友達になったりしますが、
このヤバイ子供と団地の屋上で遊ぶシーンがショッキング。
ところで、
舞台が『字吾久病院』、主人公が『円間大雄』、
敵対する刑事がアレルギー性鼻炎で『花水』など、
ネーミングにクセがあり、話に入り込みにくいのが難点。
先生は、背景の電柱にも時々余計なことを書きします。
この作品のP35『漫画見るなら日野日出志!!』とか、
【ぼくらの先生】のP38『ソーセージうまい!!91)』とか。
集中力欠くのでマジで止めて欲しかった。
・・・91)って何だろう?
綺麗な女性は必ず発狂【赤い蛇】
開かずの間にある巨大化な鏡。あの鏡をみてはいけない!
鏡にみいられた人間に開かれる向こう側の世界。
それはとても懐かしく、そして恐怖にみちた世界だった!
広大な屋敷の中で狂った家族が織り成す、怪奇幻想の地獄絵図。
しかし、
日野先生の描く女性はみな、醜く狂った世界の中でエロ美しいのです!
際立って印象的なのがその唇。
艶かしく描かれたそれは完全に血の色とリンクされ、
全編モノカラーにもかかわらず鮮やかな深い紅色として、幼い私の脳裏に刻まれました。
綺麗な女性ばかりですが必ず発狂してしまいます。そしてさらに鬼気迫る美を放つのです。
それにしても、
じじいのこぶに生卵を塗ったくって膿みを絞り出すシーン・・・エロいったらありません。
怪奇幻想漫画は子供が目にするには、かなり際どい描写がわんさと登場します。
海外から日本の性規制がぬるいとたたかれるのも頷けます
異色の児童図書【こわいおばけのまんが】
発行年月日、定価などは記載がなく不明の謎多き一冊です。
それにしてもこれ、ホラー全盛だからってやることムチャクチャです。
当時小学舘が発行していた【入門シリーズ】を真似て
児童図書化をもくろんだと思われますが、
これで(ファミリィブック)とうたわれてもねぇ。。
ファミリーではなくファミリィ
しかしファミリィブックと言うだけあって、
日本の昔話が主体のオーソドックスな内容となっていて、
内臓まき散らしのえげつない描写は多少控えられています。
多少
特に「地獄からの使い」なんて
そりゃー微笑ましい♪
そしてこれの表紙の見返し部分に描かれたイラストがなかなか魅力的♪
怪奇漫画の巨匠が食品のパッケージデザイン
しかし、
こんなマニアにしか好かれないはずの日野先生が、
まさか『まずい棒』だなんて
駄洒落たスナック菓子のキャラクターを描くなんてこと、
誰が想像したでしょうか!
出川哲朗が好感度タレントになる以上の驚きでした。
このように、
幼少期に読んだ本って年とってからモーレツにみたくなるから、
こればっかりは断捨離とか言ってないで残しておくことを強くおすすめします!
売るな!捨てるな!お宝本