ストーカーは8割が知り合い
もうずいぶん昔になりますが、
心底受け付けないタイプから、こちらの気持ちや常識などお構いなしで、
我慢の限界を超えて食らいつかれたことがあります。
私と同じような状況で悩んでいる被害者が、
迷いを捨て・行動に出るための後押しとなるように、
実例を交えてアドバイスさせていただきます。
ストーカーとは
『ストーカー』とは、以下のような行為を繰り返す人のことを言います。
1. つきまといや待ち伏せ
2. 監視していると告げる
3. 交際を求める
4. 乱暴な言動
5. SNS等でしくこく連絡してくる
6. 汚物などを送ってくる
7. 名誉を傷つける
8. 性的羞恥心を侵害する
このうち1から4までの行為がストーカー行為として認められるのは、
身体の安全、住居などの平穏もしくは名誉が害され、
又は行動の自由が著しく害されることになるかもしれない、という、
不安を覚えさせるような方法により行われている場合に限定されています。
基本的には、はじめに警告が行われ、警告に違反すれば禁止命令が出されます。
ストーカーの分類
ストーカーはいくつかのタイプに分類できます。
①元恋人・元夫婦(恋愛関係あり)
②友人・知人(恋愛関係なし)
③一目惚れ型(直接的関係性なし)
④追っかけ型(有名人・社会的地位の高い人たち)
中でも元は親しい関係にあり、ストーカー側がそれを良い関係だと思っていた場合に一番多く発生します。

私もこのパターンでした
恋愛関係にあった相手が一番危険といわれますが、
私の場合、加害者とはバンドのメンバーと言うだけで、男女の関係は一度もありません。
単なる友人ではありましたが、相手の粘着質な性格も手伝って、付き合い方はかなり密だったと思います。
そんな中で日増しに強く感じる違和感は、ある種の警告であったはずなのに、
私は長い間、その問題を先送りしていたのです。
もしも相手との関係が、元夫婦、元恋人であれば、もっと早くから深刻に受け止められた気がします。
単なる友人であり、深刻になるまで明確な意思表示がなかった為に、
(自意識過剰では?)と自身をいましめてしまったのです。
いい加減にして!
しつこい!
気持ち悪い!
内心そう思っていながら

でもな、情が厚いだけなのかも・・・けど、普通あんな態度とるかな・・・でも、酷く極端な性格してるから・・・やっぱり、
けど、でも、やっぱり・・・
相手の行動を何とか肯定的に捉えようとする気持ちと、自らの常識と素直な気持ちが葛藤して、考えが堂々巡りをし続けていました。
そんなことを延々と繰り返し、ストーカー本人にどころか誰にも本音を言えなかったのです。
しかし、明確な拒絶を示さないままでいると、ただでえナルシストな彼らは、
相手の方が自分に好意があるのだと勝手に思い込むのでとても危険です。
少なくとも私は誤解させていました。

お前も俺のこと男として意識してただろーがよー!!
後にこう言われましたから。

とんでもない!
あまりに常識はずれな考え方と行動に内心軽蔑していたくらいです。
だから本当に一瞬足りともそんな気持ちになった事などないのに。
ストーカーの性格と付きまとう心理
正直いうと自分が被害にあうまでは、一方的に激しく愛され求められる自分を妄想して憧れたりもしました。
しかし現実は全く違います。
そもそも妄想に登場するような、まともな相手はストーカーになったりしません。
ストーカーの性格
私につきまとったストーカー男は、とにかく病的なナルシストでした。
自己愛と万能感が恐ろしく強いのです。
自分の容姿・才能を臆面もなく自賛し、しかも賛同されないと人目をはばからず怒鳴り散らします。
そんな男ですから当然、自分の非は絶対に認めません。彼ほど独善的な人間を私は知りません。
そしてどう言い張っても覆せない都合の悪い現実は、全て誰かのせいになります。
その誰かが自分を騙し裏切ったせいだと悔しがるのです。
ストーカーという人間は徹底して自分のことしか考えません。

思考回路が全く異なる生き物だと言う事を忘れないでください。
付きまとう心理
私は自分が被害者になってはじめて、
ストーカーの付きまとう心理について、大きく誤解していたことに気づきました。
一般的に【恋愛感情のもつれ】と表現されていますが
ストーカーは、相手が好きだから追いかけるのではありません。
愛する自分・愛されるべき自分から、離れようとする相手が、認められない・許せないだけなのです。
ストーカーの心理を考えるうえで、ストーカーにはナルシストが多い点がポイントになります。
ナルシストでも『自尊心』が強いタイプなら、自己完結で自身を愛することができます。
しかし『自己愛』が強いタイプというのは、
誰かに認められて始めて満足するので、どーしても他者の存在が必要になります。
自分の正しさ素晴らしさを、できるだけ多くの人から認められ、
称賛されることを渇望しているので、常に誰かと一緒に居たがるのです。
私が出会ったストーカーはその典型的なタイプでした。
何をするにしても、何もすることがなくても、いつも誰かを呼びつけ一緒に行動させました。
そんな人間に適度な距離感などという感覚はありません。それに疲れて距離をおこうとすると激しく抵抗します。
逃げようとする被害者と追い求める加害者。これがストーカーを育てる原理だと思います。
今すぐ対策を!
防止策
何よりの防止策は
危険なタイプに近づかない
そもそも論ですが非常に大事です。
ちょっと癖のあるタイプでも自分なら上手く渡り合える。
そんな風に自分を過信してはいけません。
ストーカーから生活圏内の人間(取り巻きの一人)と見なされたら、離れるのはとてつもなく困難です。
例え運よく縁を切ることができても、それには何の非もない自分の方が相当の痛手を負います。
だから最初から関わらないようにすべきなのです。
ちょっと付き合ってみて嫌なら距離をおけばいい。そんなことが通じる相手ではないのです。
ストーカーは、一度自分のパーソナルスペースに取り入れた人間は手放さないよう、それこそ必死になります。
すでに関わってしまっていて、相手が不快な行動をとりはじめている段階であれば
我慢していないでできるだけ早く、あなたがそれを不快に思っていることを相手にはっきり伝えましょう。
それを知った上で相手が同じことを繰り返すなら、迷わず速やかに関係を絶つ為の行動にでるべきです。
いつまでも話し合っていてはいけません。相手にあなたと関わる時間を与えていることになります。
ストーカーはどう言葉を尽くしても、自分から離れることを認めることはありません。
いつか分かり合えるなどと思っていたら一生付きまとわれますよ。
残念なことに、あなたの拒絶を無視した挙句、さらにストーキングをエスカレートさせたなら、
そこから後は逃げるにしても戦うにしても徹底抗戦になり、残念ながら被害者の方が失うものが大きいです。
私は何も悪くないのに?!
当然そう思うのですが(私もそう思いました)そこは諦めてでも前に進むべきです。
自分はできるだけ傷つかず、相手だけが引き下がってくれないか。
そんな考えでいるあなたの胸の内をストーカーは見通しています。
大事なものを失うことが受け入れられず、逃げることをあきらめストーカーを受け入れてしまう。
ストーカーはそうなることを狙っているのです。
私自身も、加害者との関係を断ち切るために
上京する目的であった音楽活動はあきらめ、アパートを引っ越し、職場を変え、上京してからできた友達はすべて失いました。
しかし平穏な生活が戻ってくれば、また新たな目標やより素敵な友達ができます。
だから逃げることをあきらめないでください。
人生の時間は限られています。
一刻も早く楽しい時間を取り戻して下さい。
撃退方法
私が参考にした著書から少し記述をお借りします。
【ストーカー撃退方法】
原則として、まずは覚悟を決め全てを白日の下にさらす。そして闘うか徹底的に逃げるかのどちらかしかないと覚悟を決める。未練を捨ててストーカーと自分との間にできた人間関係を葬り去ること。引用元:荒木創造『愛と狂気のストーカー』より
今まさにストーカー被害に悩まれてるあなたは、とにかく一刻も早く誰かに相談してください。
テレビでニュースになるような明らかな異常者の場合、
第三者が介入しようが法律が規制しようが、問答無用で殺しに来るような人間ですから、
何をしてもお手上げだったかも知れません。

本当に被害者の方は、お気の毒としか言いようがないです
けれど日本には、その手のタイプのストーカーはまだそれほど多くはいないと思います。
だからきっと逃げ切れます。
ストーカーは、あなたが怖がり疲れ果て、逃げるのを諦めることを狙っています。
一人で悩んで疲弊しないで、誰かに協力を求めてください。
もしも今、その気のない相手から言い寄られてる方がいたら、
くれぐれも『良いように弄んでやろう』などと調子に乗っていないで、
相手を無闇に傷つけないよう誠意を持って、しかし、はっきりとお断りしましょう。

相手が豹変してから後悔しても遅いですよ!
この本は、私が一人で悩んでいた時に参考にしたものです。
発行から随分たっていますが、立ち向かおうという勇気をくれた一冊なので、
参考になると思います。
決別する為の行動に出ると決めたら、『ストーカー規制法』について正しく学びましょう。
ストーカー規制法は、ストーカー行為を広く取り締まることができる法律です。
この法律により、ストーカー行為を行う者に警告を与え、
悪質である場合には逮捕、そして処罰することができます。
残念ながら物的証拠がないと、状況証拠だけで警察は動いてくれません(私の時がそうでした)
それでも相談は必ずしておきましょう。
リンク
危険なストーカー行為の対処がどれほど難しいか、どれほど勇気と根気が必要か、
それは体験した人にしかわかりません。
ストーカー規制法が施行されている現在でも、
実際に適応されるまでには相当に怖い思いをしなくてはいけないのです。
続きの記事には、
私が体験したストーカー行為の具体的内容をお伝えしています。
警察の対応、解決に至った経緯など、どうぞ参考にしてください。