肺に勝手に穴があく病気【自然気胸】
【気胸】とは 肺の先端の一部に穴があき 空気がもれ出て肺がしぼんでしまう病気です
胸の痛みと息苦しさを感じ 進行すると呼吸困難が生じます
気胸は発症原因によって大きく5種類分類され
その中で最も患者数が多いのが【特発性自然気胸】です
青年期(13歳~35歳くらい)の
長身でやせ形・胸板が薄い体型の人に多く発症するのが特徴で
患者の約9割が男性で 女性はほとんど発症しません
その為 通称【イケメン病】と呼ばれます
気胸の中で最も患者の多い自然気胸ですが 発症原因はいまだにわかっていません
気胸の治療は病気の症状の程度によって段階を踏んで分かれます
軽症の場合 多くは安静のみで良くなります
中等症の場合 局所麻酔下で胸の中に直径6~7mmの管を入れ
肺に溜まった空気を体の外に出す治療を行います
重症の場合 胸腔鏡下術によって肺表面の薄い袋(ブラ)を切除します
胸腔鏡下術では再発してしまう更に重度の気胸は 開胸手術によってブラを切除します
女性の発症率は1割!身体的な特徴と自覚症状
思い返すと中学の時から症状は出ていて
時々急に胸に強い圧迫と鈍い痛みを感じ数分間続くことがありました
(痛いッ!)と言うほど痛くもないし(苦しいッ!)と感じて焦るほどでもありません
例えるなら・・布団です巻きにされたような・・マットレスで板挟みにされたような・・
ある日 その症状がこれまでになく強く感じられたんです
それまでなら放っておけば治まっていたその圧迫感が 翌日になっても引きません
呼吸もおかしくなってきました ヘコヘコヘコヘコ….めちゃくちゃ頼りない
そして明確に息が苦しくなってきたところで 怖くなって病気へ行くと

きっと気胸ですね あなたみたいなペラペラの男の子がよくなる病気です

女ですけど

女性も稀にいますよ 私ははじめてみますけど

大当たり
そのまま即入院となり それ以上肺が萎まないよう絶対安静となりました
このように自然気胸は女性でも発症します
私は漏斗胸でもあり 猫背で胃下垂 食が細く極度のやせ型です
マラソンランナーのような少年体型の若い女性で胸の痛みを感じている方は
自然気胸も疑ってみてください
気胸の治療方法
軽症なら安静だけで快復することのある気胸ですが
自然には元に戻らない中等症になると【胸腔ドレナージ】という治療で
肺を膨らます処置が行われます

その治療が何だか原始的で凄いんです
大車輪の様な装置に大の字に張り付けにされ
回転させ頭を下にした状態にして 胸の正面から肺まで細長い針を突き刺す
まるで江戸時代の公開処刑のような様相です
これで肺に空気を送り込み膨らませ 膨らむと同時に穴が塞がれば元通り
安静にすることで自然に起こっていたことを医療器具を使って再現を試みているのです
私はこの逆さ張り付けの刑を2回執行されましたが 肺が膨らまず穴が塞がりませんでした
そのままでは肺がどんどん萎んでいき空気の抜けた風船みたいになって使えなくなるので
その前に手術します
今でこそ気胸の手術は胸腔鏡下術が主流ですが 昔はいきなり大掛かりな開胸手術一択でした
手術が決まったらすぐに設備の整った医学部附属病院へ移動し再度密検査を行い
さらに手術を行う別の病院へ移動
呼吸がままならない中で手術までにあちこち転々 車いすをコロコロコロコロ・・・
というのが手術に至るまでの様子です
もっと早く病院にいっていれば もっと楽な処置で済んだかなあと思うので
痩せ形で似たような症状の方いましたら
不要な痛い目をみないために 早めに病院に行くことをおすすめします
以上 参考になさってください