【恐怖の双一シリーズ】概要と主観
世界に誇るジャパニーズホラーの鬼才
奇妙奇天烈摩訶不思議な
「伊藤潤二」先生
怖い!
そしてクスっと面白い♪
そう!
変顔でも下ネタでも無い あからさまなギャグとは違う
この絶妙な加減が素晴らしいのです!
伊藤作品にはシリーズものがいくつかありますが
おすすめは『双一シリーズ』
この「双一シリーズ」は
当時の陰気一辺倒なホラー界に新風を巻き起こしました。
笑いとホラーをこれほど見事に融合させるなど
伊藤潤二のセンスと画力でしか成し得ません!
だから映画にしたってその本当の魅力は伝わらないのだ と私は言いたい。
そして
注目して欲しいポイントは『擬音』
この擬音も伊藤作品の大きな特徴です。
私は影響され過ぎて日常で使用する擬音がけっこう変わりました。
『ガーン』じゃなくて『ゴーン』
『なめんじゃないわよ!ギュ~!』
とかね。
楽しい夏休み
1992年発行
JUNJIの恐怖コレクション③
集録作品(短編全6話)
・楽しい夏休み
・薄命
・侵入者
・寒気
・案山子
・楽しい冬休み
薄命
校内で『ブストリオ』と揶揄される仲良し3人組。
しかしその中の一人がまるで別人のような美人へと変貌していきます。
さらにもう一人にも同じ変化が。
変身が伝染すると噂され、生徒達は二人に群がり、そして期待通り美しくなっていくのですが・・
2ヶ月程でその美しさが極まると、彼女達は徐々に病んでいき、やがて倒れ還らぬ人となります。
それはまさに『美人薄命』
寒気
私の完全トラウマ作品。
![よっぱ](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/06/YY.png)
あー!もー!このボケた画像だけでだめ!!
私はこの作品を1度しか読んだことがありません。
二度とページをめくらないと決めたからです。
破こうか、捨てようか、売ろうか、
二度と視界に入らぬよう何度も処分を検討しましたが、
その他の収録作品への執着もあり保管され続けています。
何年も経ち相当痛みは和らぎましたが、
それでも記憶に残る衝撃の描写が未だに私の神経を逆なでし、
鳥肌総立ちにさせてくれます
![よっぱ](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/06/YY.png)
クレーターとかイボイボとか生理的に無理!って方は絶対に読まないでください
案山子
不思議な集合墓地での話。
娘を亡くした父親がある日、娘が一人で寂しうだろうと自分の畑にあった案山子を墓の横に立て直しました。
すると不思議なことに、案山子の顔が日増しに埋葬されている娘に似ていきます。
父親は喜び絶えず墓地に通うように。
その噂を聞きつけた他の家族も、今は亡き愛する人に再会しようと次々案山子を立てはじめます。
幼い息子を亡くした母親も案山子を立てようと夫に相談しますが、父親は気味が悪いと言って反対します。
しかし息子が恋しい母親は半ば強引に案山子を立ててしまいました。
案山子は期待通り息子の顔になっていきますが、何故かその顔は憎しみに満ちた険しい表情をしています。
そしてその視線の先には父親が立っているのでした。
![女性](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/08/O.png)
なぜ?なぜ貴方を睨んでいるの!?
父親は慌てて立ち位置を変えますが、それを追って視線も動きます・・
棺桶(かんおけ)
1995年発行
『恐怖の双一』シリーズ
集録作品(短編全4話)
・双一の勝手な呪い
・四重壁の部屋
・棺桶
・噂
双一の勝手な呪い
まったく。双一には不思議な力があるのかないのか💧
今回の彼は『蜘蛛の呪い』と称して自作の巨大竹馬で同級生を杉林に追い込みますが、
逆に自分がそこの管理者に取っ捕まってしまいます。
大事な所有地を荒らす不届き者に怒り狂う地主のおやじ。
そこへ双一の兄『公一』登場。
![よっぱ](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/06/YY.png)
P66-4コマ目:お兄ちゃん若いのにかなり肝すわってます笑
四重壁の部屋
静かな個室がほしいと願った公一の元に、
部屋を防音にするため互須という大工がやってきました。
四重構造で完全に音を殺す防音室を造ると言います。
珍しく双一が真面目に手伝う中、何とたった2日で部屋は完成。
出来上がった部屋の入口をはじめて開けると、そこには狭い狭い押し入れのような個室が。
驚きながらも、確かに静かなその部屋で公一は勉強をはじめます。
しかしその部屋には防音の他に、双一の為の秘密の細工が施されていたのです。
![よっぱ](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/06/YY.png)
P93-2コマ目:お兄ちゃんこの状況で割りと冷静に返してます笑
棺桶
双一は職人だったおじいちゃんに自分専用の棺桶がほしいとおねだりします。
気のいいおじいちゃんは双一の為に見事な棺桶をつくりますが
ドラキュラ気取りの双一は
おじいちゃんがつくった純和風の棺桶が気に入らず作り直しを命じます。
再度棺桶作りに挑む中、何とおじいちゃんがぽっくり亡くなってしまいました。
マイ棺桶が諦め切れない双一は、奇妙な呪文を唱え始めます。
すると不思議なことに、おじいちゃんの亡骸は自分の棺桶から抜け出し、
双一の為の棺桶作りをはじめたのでした。
![よっぱ](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/06/YY.png)
P118-3コマ目:お兄ちゃん双一をフルスイングでヒットしてます笑笑
ポイントとなるのはいずれも、双一の兄「公一」くん。
双一シリーズでは公一くんがかなり要所を締めているので、そこにご注目ください。
![よっぱ](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/06/YY.png)
彼最高にクールです
布製教師
1993年発行
JUNJIの恐怖コレクション⑤
双一シリーズ、押切シリーズから各1話+短編3話の計5作品収録
集録作品(短編全5話)
・布製教師
・押切異談(壁)
・落下
・相部屋
・旅館
落下
ある町で集団行方不明事件が発生します。
一人の女性が意識不明のまま発見されますが意識が戻らず事情はわからぬまま。
しかし突然目を覚まし、空中から人が落ちてくると予言します。
予言通りに落ちてきたその人は、
この町で起きている失踪事件でいなくなった若者の一人でした。
そして予言だけすると彼女は意識を失います。
その後も彼女が目を覚まし予言するたびに、
何もない空中から雨粒のように人間が降ってくる。
その死に顔は皆恐怖に顔を引きつらせていた。
旅館
何のお告げが降りてきたのか知らないが
ある日突然父親が自宅の床に穴を掘りはじめます。
目的は温泉を掘り当てること。
何物をも顧みず一心不乱に掘り進め、見事湯本を掘り当て温泉宿をはじめますが
そこに集まる客はなぜかみな一様に異様な風貌の奇妙な人ばかり。
父親が掘り当てたのはただの湯本ではなく 実は地獄の入り口だったのです
![よっぱ](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/06/YY.png)
『落下』は空中から、『旅館』は地中から、それぞれ異界が現れます。『異界』…何てゾクゾクする響き
布製教師
双一の担任『』は爽やか熱血系教師。
そんな彼は何とか双一を更正させようと一生懸命。
あの手この手で爽やかボーイにしようと苦心します。
家庭訪問と称したびたび双一の自宅を訪れていましたが、
ある日を境に、先生が何だかおかしなことになるのですが・・