日野日出志【まだらの卵】
出版情報
ひばりヒットコミックス
ショッキング劇場『まだらの卵』
・作者:日野日出志
・短編全8話
・発行所:ひばり書房
・1985年発行
・定価380円
集録作品
・ウロコのない魚
・セミの森
・マネキンの部屋
・地獄のエレベーター
・がま
・ともだち
・おかしな宿
・まだらの卵
概要と主観
言わずと知れた怪奇漫画の巨匠「日野日出志」大先生。
後年やっつけ作品が目立つのが悲しいですが、この時期の作品は傑作揃い。
中でもおすすめがこの一冊「まだらの卵
作品ピックアップ
ウロコのない魚
とある漁港の町に暮らす少年。
ものすごく暑い夏、少年は毎晩恐ろしい夢にうなされていました。
しかし、少年はその夢の内容を、どうしても思い出すことができません。
異常な暑さと港町特融の生臭さに工場の悪臭。
夢に怯える日々が続き、少年は白昼夢にも襲われるように・・
そんなある日近所の床屋で髪を切っていると、
なぜだかあの夢が、突然今にも思い出しそうになりました。
もう少しで、もう少しで全部思い出す・・・
そ、そうだ、夢の内容を・・
思い出した!!
![よっぱ](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/06/YY.png)
これのおかげで、床屋さんが髭そるシーンが恐怖でしかなくなりました。
マネキンの部屋
高度成長期の東京。
そびえ立つ高層ビルの隙間で小さなマネキン工房を営む父と、祖母と共にその傍らの長屋に暮らす少年。
少年は父親のつくりだす精巧なマネキンをいつも薄気味悪く思っていました。
ある夜、夜中にトイレに起きた少年は、不注意から小さな少女のマネキンを倒してしまいます。
どうしよう!父のお気に入りのマネキンを壊してしまった!!
すると、倒れたマネキン少女の口からは血が流れ、目が少年を睨み付けました。
![よっぱ](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/06/YY.png)
冒頭に描かれている東京のビル群と、その足元に残された昭和の町工場の描写が素晴らしいです。音が聞こえ臭いが漂ってきますよ。
地獄のエレベーター
マンモス団地に暮らす少年。
日曜日の朝、野球チームの練習に参加するため
朝食を済ませエレベーターに乗り込みました。
![よっぱ](https://yoppablog.com/wp-content/uploads/2020/06/YY.png)
大好きなんですエレベーターもの。漫画に限らず映画でもドラマでも良いのありますよね。