手術中に麻酔が切れる【術中覚醒】
【術中覚醒】とは手術中に麻酔が切れることです。
私は18才の時に
『突発性自然気胸』で開胸手術を受けました。
この時、麻酔から完全覚醒するタイミングが早く、
筆舌に尽くしがたい苦しい思いをしたので
全身麻酔には不安しかありません。
人工呼吸器を装着したまま覚醒するは、正に糞尿垂れ流しの苦しさですよ。
その実体験から、
実は単なる都市伝説だと思っていた
『手術中に意識が戻る』という噂が信憑性を増し、
真実かどうか非常に気になっていました。
そしてとうとう、
2016年に行った子宮内膜症の手術によって、
確かな情報を得たのです。
手術前日に麻酔科医から麻酔に関する説明があり
『麻酔説明書』を手渡されました。
実際に自分自身が手術するにあたって渡された『麻酔説明書』です。
この記載に間違いがあるはずがない。
大変恐ろしいことですが、
<手術中に麻酔が切れ意識が戻る>は
事実です。
【術中覚醒】の原因と確率
それではお読みください。
転用元は私が手術前日に署名した
2016年8月発行の『麻酔説明書』です。
本来、全身麻酔では、意識が無い状態で手術が行われますが、
約1,000人に1人程度の確率で、手術中に意識があることがあり、『術中覚醒』と呼びます。
患者さんの意識が無い状態を保つために必要な麻酔薬の量には、かなりの個人差があり、
麻酔科医は脳波、血圧、心拍数などを参考に、個々の患者さんにとって適切な量を投与するよう調節しています。
しかし、麻酔薬の多くは血圧を下げ、心臓の動きを抑制する作用があるため、
外傷に対する緊急手術や、重い心臓病を持つ患者さんの手術等、
血圧・心臓が不安定な状態では、手術中に十分な量の麻酔薬を投与できない場合があります。
また、麻酔薬の投与が何らかの原因で中断した場合も、術中覚醒が生じる可能性があります。
術中覚醒は、手術中の医師、看護師の会話や物音が聞こえるといったものから、
術中に痛みを感じるものまで、いろいろな種類があります。
術後、よく眠れない、悪夢をみる、うつ状態になる等、いわゆる
心的外傷後ストレス傷害(PTSD)の症状が出る場合、精神科医や臨床心理士の治療が必要事項になります。
転用:2016年8月発行『麻酔説明書』より
嘘か本当かどころか
発生する確率は1000人に1人。
そして血圧が高い状態では、
手術中に十分な量の麻酔薬を投与できないため
また、合併症を引き起こしやすくなるため
手術ができないことになっています。
実際に私の母親が、高血圧が理由で手術がうけられず
脳出血により意識不明となりました。
【術中覚醒】の危険が高い手術
術中覚醒が発生しやすい手術トップ3
第1位:外傷に対する緊急手術
第2位:心臓外科手術
第3位:帝王切開手術
一般に術中覚醒の危険が高い手術として、
上記3種が知られており、
よってこれらの手術において麻酔科医は
特に!注意を払っているそうですが、
術中覚醒を完全に防ぐことはできない
のが現状だとか・・・
麻酔薬が血圧を下げ、心臓の動きを抑制するため、
血圧・心臓が不安定な状態では十分な麻酔薬を投与できない。
その為に、外傷に対する緊急手術、
心臓外科手術、帝王切開手術において
高い頻度で術中覚醒が発生してしまうそうです。
術中覚醒のように執刀中に目覚めることがなくとも
私が体験した人工呼吸器を挿入したままで
覚醒するのだってかなり怖い事です。
私は自身の手術前、担当医に
人工呼吸器が外れる前に意識が戻らないように
たっぷり麻酔をかがせてくれとお願いしました。
しかし先生は苦笑いしながら
<自発的呼吸を確認してからでないと人工呼吸器は外せない>
と、至極もっともな説明をしてくださいました。
だって下手したら死んじゃいますもん💧
ということは、映画やドラマのよくあるシーンは、
正確には二度目のお目覚めということになりますよね。
あれの前に必ず人工呼吸器を挿入した状態で
自発呼吸があることを確認されているのです。
表現が難しいのですが、、
体だけ先に目覚め自発呼吸を確認され
呼吸器を全て抜かれた後に意識がはっきり戻る。
これがドラマのような理想的な麻酔の切れ方で
私の場合は、自発呼吸を確認した流れでそのまま
完全覚醒(体も意識もはっきり目覚める)したのです。
そういた諸々の違いは
投与のタイミングが大きいらしいです。
だから麻酔医師の経験がものをいうのだとか。
麻酔専門の先生がいらっしゃるのを初めて知りました
私がそうであったように
誰もがドラマのような目覚めはむかえられず、
三途の川をチラ見する人が少なからずいるのです。
そして、恐ろしいことに
もろ手術中に目覚める人もいるのですよ。。
知りたくなかった事実💧
余談|腹腔鏡下手術中に全身火傷
余談ですけど、
子宮内膜症で転院する前に通っていた大学病院で、
私が手術をうけるはずだったそれより少し前に、
やはり婦人科の手術を受けていた患者さんが、
レーザー照射が腸内ガスに着火して
(※検証不可能で可能性ってことになってます)
全身に火傷を負うという
ショッキングな医療事故がありました・・・
怖ッ!
要点まとめ
⭕手術中に意識が戻る確率は約1,000人に1人
⭕術中覚醒が発生しやすい手術がある
⭕術後覚醒のタイミングは麻酔医師の経験がものをいう