酔っ払い女が繰り返す酒の失敗
バイト先から自宅は自転車で10分程度。
そのバイト先の上階にある居酒屋で懇親会が開かれました。
当時まだ若かったので、
苦手な部類の酒もすすめられると余裕ぶって飲んでました。
そして悪酔いしたのです、
見栄っ張りなせいか、
同席しているメンバーの前で醜態をさらすことはありません。
平気なふりして退席しますし、実際のその場まではそこそこしっかりしてるのです。
しかし、
知り合いの目の届かない場所に出るやいなや、めためたと自制が崩れていきます。
この日はそれが早かった。
駐輪場から自転車に乗ってわずか数分。
ほんの少し行っただけの裏路地で横転してしまったのです。
泥酔で路上寝
ここからの記憶は断片的なので、
ケータイ履歴や彼の話を繋げた想像込みの世界であることをご承知おきください。
怪我らしい怪我をしていないので、
危ないと思って自分で自転車を降りそのまま電柱と壁の間に寄りかかりひっくり返った。
って感じでしょうね、たぶん
寝込んでしまうことはなく、
とにかく家に帰りたくて起き上がろうとするのに体が言うことを聞かず、ゴロゴロ悶えていたところ、
たまたまそこに通りかかったお姉さん。
あなた、大丈夫?・・・じゃないわよね。
私ならこんな女にまず声などかけない。
優しい人がいたもんだ。
迎えに来てくれる家族いないの?
あああ、ううう、、
まともに言葉も発せないで、
携帯をとりだし彼に電話しようとしますが彼の番号を押すことができない。
彼の名前何て言うの?
うぅぅ、
これ?この人?
うう、、
通話履歴がいっぱいあるから彼ね?かけるわよ!
もたくたしている私から電話を取り上げ、女性が代わりに電話してくれたのです。
泥酔して道端でひっくり返っていたら通行人がろれつの回らない私の代わりに彼氏に電話してくれるなんて
どんな親切な人なんだ!!
その後の記憶は全くありません。
彼はその女性から聞いた場所に私を迎えに来たのですが私が見つからず、
付近のコンビニのスタッフにまで、それらしき人間をみなかったか聞いてくれたそうです。
しかし私はその間、
強靭な帰省本能を発揮して、彼とは行き違いに記憶のないままに自宅へ戻っていました。
帰宅後ソファーに寝ゲロ
翌朝、
ぼんやり目が覚めるとそこは自宅のソファーの上。
しかし、
あれ?景色がいつもと違う
そして起き上がろうとしましたが、
あれ!?
体が起きない。
つかソファーから顔が離れない。
ぐっと力を入れると、
バリバリ!!
これは!・・・
寄生獣で新一がパラサイトに胸を貫かれた後、奇跡の蘇生で目覚めた時に似ている!
参照元:岩明均『寄生獣』より
バリバリと音を立てながら頬をはがし、
起き上がると!
なんと!
顔もソファーも血まみれ!
ならぬ、
ゲロまみれ💧
しかもソファーは居間からキッチンに移動されています。
どうも怒った彼が、
ソファーごと私を外に捨てようとして思いとどまったと思われます。
すごいな、神か仏のように心が広いよ。
私だったらとっくに捨てている。
とりあえず、歯磨きをして、
ソファーを軽く掃除してから風呂に入り、
あとはもう、
強烈な二日酔いで後先考える余力がなく、布団に潜り込んで二度寝しました。
彼氏の愚痴が酒のつまみ
彼はこのようにものすっごーく、超人並みに優しいです。
が、
代わり全ての事をこまかーく覚えていて、何年たっても私への恨み節のトーンがおちることはありません。
しかしあれから年月を経た今、
そんな彼氏の愚痴こそが何よりの旨い酒の肴になっています。