『egal(エガール)』という言葉
ドイツ語に『egal(エガール)』という単語があります。
辞書で調べると『関係ない』とか
『どうでもいい』という訳が表示されますが
それとはちょっとニュアンスが違う、
『まあいいや、』とか『んー、なんでもない、』
『やっぱいいや』ってな感じにも使われます。
私と友達のアナは基本ドイツ語で会話しますが
彼女はロシア人です。
ドイツ北部にはロシア人けっこーいますよ
そして私がドイツ語そんなに堪能でないので
彼女の質問に対し言葉に窮すると
彼女は優しく『ああ、いいよ、いいよ、』
ってな感じで『egal』を連発してくれます。
しかしこの『egal』。当のドイツ人からは
『関係ない!』しか直接耳にしたことがありません。
私はね
私が思うに
日本人の私に対し適当なことを言うまいという
ドイツ人的プライドが強く働いている
のではないでしょうか。
軽く質問したつもりが
どえらい長くややこしい話に発展したり
じーっと押し黙って考え込んだりしてしまい
こっちが『ああ、別に大体でいいよ、大体で、』言っても
ネットや辞書を調べたり友達にも聞いたりして
うやむやでは終わらせません。
稀にどうにもはっきりしない時
彼らは非常に悔しそうな
心残りというような顔になり
はっきり言って場の空気が暗くなります。
よって質問にはちょっと気を使います。
普段は普通にegal egal 言ってんじゃないかな?
回答は極力正確に
『zirka』『etwa』『ungefaehr』などなど。
ドイツ語にも当然『約』や
『およそ』『大体』という言葉はあります。
しかし私の経験上
彼らはその数字を知る限り
できるだけ正確にそれを告げようとします。
ある日、アナと旦那のアレックスと3人で
彼の弟の家に車で向かっている途中の出来事。
信号待ちでアナが
あと30kmくらいで州を越えるよ!
と言ったところ、
30km?いや25kmだろ
ああ、そうね
しばらくして
だいぶ(弟の)家近くまで来たよ!
そう!あとどれくらい?
あと10分くらい!
15分だ!
・・そうね、
大体こんな感じ
ちょっと細かいんですよね。
いや、几帳面と言うべきでした。
日本人の場合、間違っていなければ
厳密に言えば○○だけど・・まーいいか
って感じで、
聞き流しがちですけどね。
ここで躊躇なく訂正するのがドイツ人
あくまで私の印象ですよ
あと、何か意見があると
相手の話が一区切りつくのを待つということをしない。
途中でも遠慮なく話を被せてくるので
お互い被せあって
高速マシンガントークになってます。
『、』も『。』もない。
いったいどこで息継ぎしているのだろう?!
大丈夫ですか?酸素足りてますか?
夏場など、太陽好きな彼らが
日光を浴び真っ赤になった顔を
ビールと高速トークでさらに赤くして
おしゃべりしてる姿をみると
楽しんでるんだかケンカしてるんだか
区別がつかない;;
ドイツ人と対等に渡り合うには
淀みなく言葉を繰り出すための
滑らかな顎関節の可動と豊富な肺活量が
必要となるでしょう。