酔っ払い女を助ける親切な通行人の話
バイト先の懇親会に参加し そこで悪酔いしました
見栄っ張りなので 知った顔の前で醜態をさらすことはありませんが
会場を離れ一人になると途端に猛烈に酔いが回ってきます
この日はそれが早かった
自転車に乗ってわずか数分
乗り続けることができず自転車から降りて路上に倒れ込んでしまいました
家に帰りたくて起き上がろうとするのに体が言うことを聞かず
ゴロゴロ悶えていたところに たまたま通りかかった女性が1人

あなた大丈夫?・・じゃないわよね
私ならこんな女に声などかけない 優しい人がいたもんだ
迎えに来てくれる家族がいなか尋ねられましたが まともに返事ができません
パートナーに電話しようとケータイを手にしても 通話ボタンを押すことすらできない
するとこの女性 私からケータイを取り上げ通話履歴を確認し

通話履歴がいっぱいある この人にかけたいの?

(大正解!)
何と機転を利かせ 私の代わりにパートナーに電話してくれたのです
そして私がひっくり返って動けなくなっている場所を伝えてくれたのでした
どんだけできた人なんだと 翌日意識を取り戻してから大いに感心しました
彼はその女性から聞いた場所に急いで向かったのですが 結局私とは会えずじまい
強靭な帰省本能を発揮した私は ほぼ無意識の状態で自力で自宅に戻ったのでした
翌朝
ぼんやり目が覚めると布団ではなくソファーの上
ですが ソファーからみえる部屋の様子が何だか違う
そして 起き上がろうとしました体が起きない
というか ソファーから顔が離れない
そこで グッと力を入れてみたら
バリバリ!
これは・・・
寄生獣で新一がパラサイトに胸を貫かれた後 奇跡の蘇生で目覚めた時に似ている
参照元:岩明均『寄生獣』より
バリバリと音を立てながら頬をはがし 起き上がると 何と
顔もソファーも血まみれー ではなくて ゲロまみれ
部屋の様子が違うと感じたのは
ソファーが居間からキッチンに移動されていたからでした
怒った彼がソファーごと私を外に捨てようとして
キッチンまできて思い留まったと思われます

優しい 私だったらマジで捨ててる
以上 親切な通行人と優しい彼氏のお話でした